あらすじ

怪談には、バグがある。 鹿児島・天文館の片隅で、しがない探偵事務所を営む永瀬楓。 彼が追うのは、浮気調査や人探し――だけではない。 赤いハイヒールの女。 存在しない階へ向かうエレベーター。 ネットの片隅に残された、奇妙な都市伝説や怪談。 怪異には必ず、発生するための条件がある。 条件があるなら、そこには必ず抜け道もある。 元記者として培った観察力と、怪異へ干渉する特殊な道具を武器に、永瀬は怪談のルールを解析し、その仕様の穴を突いて怪異を“デバッグ”していく。 そんな永瀬の事務所へ転がり込んできたのが、金髪ツインテールの配信者・蜂須賀める。 明るく騒がしく、怖がりなくせに妙なところで肝が据わっている少女。 そして彼女は、本人にも意味の分からない異国の言葉を口にするとき、怪異の理そのものへ干渉する不可解な力を見せ始める。 最初は厄介な依頼人だったはずの少女と永瀬は、やがて現世と異界――《幽世》の境界に潜む異常を追う、奇妙な相棒となっていく。 だが、永瀬が怪異を追い続ける理由は別にあった。 六年前。 彼の先輩・諏訪響は、ある事件を境に、世界中の記録と人々の記憶から存在そのものを消された。 誰も彼女を覚えていない。 それでも永瀬だけは、今もその名前を忘れていない。 怪談を一つ解くたび、世界の奥に隠された異常が少しずつ輪郭を現す。 そしてそれらはやがて、六年前に消えた諏訪響、める自身に眠る秘密、さらに《幽世》そのものの真相へと繋がっていく。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 各話の冒頭には、ネットの片隅に残された「怪談」が挿入されます。 怪談だけでも、一篇のホラーとして独立して楽しめます。 けれど――その怪談を、読み捨てないでください。 「三本勝負」 「選別の矢」 「不可避の現実」 「供物の窓」 「白い猿」 「満面の笑み」 特にこれらの怪談は、本編を読み進めるほど、その意味を変えていきます。 事件のルールだったものが、誰かの過去へ。 ただの都市伝説だったものが、世界の真相へ。 一度読んだ怪談が、数話後にはまったく違う物語に見える。 まずは――「三本勝負」まで。 そこから、この物語の見え方が少しずつ変わり始めます。

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カクヨム
カクヨム2026/08/13
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