あらすじ
召喚師の将来は、卒業試験で引いた召喚獣のレアリティによって決まる。
王立召喚学院の生徒たちが火竜や上位精霊を召喚する中、レクトに与えられた固有技能は、最低レアしか出ない《N限定召喚》だった。
そして彼が呼び出したのは、名前も記憶もなく、声を出すことも、自分の足で立つことさえできない銀髪の少女。
学院からは「不完全な召喚体」として契約解除を勧められるが、少女がかすかにレクトの指を握ったことで、彼は処分を拒否する。
残っていた召喚石でもう一度引くと、現れたのはまったく同じ少女だった。
二人目は増えることなく、最初の少女へ吸収される。
《同一個体を確認》
《限界突破:2/100》
《機能“自立”を解放しました》
二回目で立てるようになった。
五回目で、レクトの名前を呼んだ。
十回目で、初めてパンを食べた。
重ねるたびに少女は、言葉、表情、魔法、過去の記憶、そしてレクトへの感情を取り戻していく。
やがてルナと名乗った少女は、留守番すらできなかった状態から、レクトと肩を並べて冒険する相棒へ成長する。
だが、九十九回目の召喚で告げられたのは、残酷な真実だった。
《次回召喚時、女神アステリアを完全復元します》
《現行人格“ルナ”は統合処理により消去されます》
世界を救うには、百回目を引かなければならない。
しかし完成するのは、レクトが育てたルナではなく、かつての女神かもしれない。
これは、何度引いても新しい仲間を得られなかった召喚師が、たった一人の少女を百回選び続ける物語。
そして何もできなかった最低レアの少女が、言葉と感情と恋を知り、彼だけの女神になるまでの成長日記。