あらすじ
師匠を亡くして十年。
浅野理央は、かつて人のいた小さな仙門《青玄門》を、ほとんど一人で廃れさせてしまっていた。
そんなある日、突然現れた《仙門再興支援システム》から告げられる。
『弟子を取りなさい』
「取らなかったら?」
『死にます』
「そういう大事なことはもっと早く言え!」
最初の弟子候補は、山の中で死にかけていた一人の木の精霊。
彼女を助けるため、十年ぶりに山を駆け、魔獣と戦い、崖を登り、ようやく一人目の弟子を迎えた。
そこから、止まっていた青玄門が少しずつ動き始める。
弟子の部屋が増えた。
風呂ができた。
茶畑ができた。
元敵が茶を飲みに来るようになった。
昔の友人まで帰ってきた。
さらには皇族の少女や、何故か元暗殺者まで居着いて――
「お前ら、ここ俺ん家だよな?」
最強の仙門を作りたいわけじゃない。
弟子が笑って、誰かが茶を飲んで、帰ってきた奴に「おかえり」と言える場所なら、それでいい。
十年間止まっていた門主と、そこへ集まる者たちの仙門再興譚。
廃れた仙門は、今日も賑やかだ。