あらすじ

夫のために、ずっと一歩後ろを歩いてきた。 会社の実務を支え、取引先との関係を整え、父が経営する会社の次期社長候補となった夫を立て続けてきた妻。 だがある日、夫は派遣社員の女性との不倫と、その女性の妊娠を告白する。 そして、妻に言い放った。 「彼女と子どもをここで暮らさせる。お前は俺の土地から出ていけ」 妻は争わなかった。 「分かった。出ていくね」 荷物をまとめ、静かに家を後にした。 夫は知らなかった。 自分の土地だと思い込んでいたその場所が、妻の父親の所有地であることを。 自分の家だと思っていた建物も、自分が継げると信じていた会社も、「次期社長」という立場さえも、決して自分の所有物ではなかったことを。 不倫。妊娠。離婚。土地。会社。後継者。 一つの裏切りをきっかけに、夫が当然のように自分のものだと思っていた全ての土台が崩れ始める。 これは、裏切られた妻が復讐する物語ではない。 夫に貸していた人生を、静かに返してもらう物語だ。

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カクヨム
カクヨム2026/08/13
  • 現在の作品次期社長の夫に「俺の土地から出ていけ」と言われたので、出ていきました。――そこ、私の父の土地ですけど。