あらすじ
「君は要らない」——婚約解消を告げた王太子のその言葉が、わたくしの耳にだけ、違う意味で聞こえておりました。
六歳から隣国語を仕込まれた王女シャルロットは、二つの言葉を持つ者にしか聞こえない「訳し違い」で、婚約者が魅了にかかっていることに気づきます。けれど誰も信じません。異国の言葉で作り話をするな、と。
ですからわたくしは、殿下のお言葉をそのまま母国語へ訳して差し上げることにいたしました。嘘は申しません。正しく訳すだけです。——その場にいた全員の前で、殿下は、ご自分の言葉で崩れました。
婚約は解消。魅了に囚われたままの婚約者は置いて、わたくしは護衛騎士と祖国へ戻ります。全三十話・ハッピーエンド。
罵らない主人公が、正確さだけで勝っていく静かなスカッとがお好きな方へ。