あらすじ
十年間、姉の答案を代筆してきました。今年から、学園は筆跡照合を始めます。
公爵家の次女エルシャは、物心ついた頃から姉ロザリーの課題も手紙も答案も、姉の筆跡で書かされてきた。褒められるのはいつも姉。けれど今年、王立学園は入学者の筆跡見本を登録し、以後の答案と照合する制度を始めた。
姉の付き人として入学したエルシャが、初めて自分の字で書いた答案は、掲示板の一番上に貼り出される。
「あなたが書けるはずないでしょう」――姉にそう言われたエルシャは、その場で書いてみせる。
そして第二王子セドリックだけが知っている。三年前、彼を救った一通の手紙の筆跡が、姉のものではなかったことを。
全30話・第一部完結。奪われていた名前が、自分の手に返ってくる話です。
静かな逆転と、先に見つけられていた恋が好きな方へ。