あらすじ
~登場人物の紹介とあらすじ~
【登場人物】
■ドラガン・レイス
二十五歳の結界技師。
無口で努力家。壊れた結界の異常を指先で読み取る腕を持つが、人に頼ることと休むことが苦手。
十六年前、湖底事故で主任技師だった父を亡くしている。事故の責任を負わされた父の真実を確かめるため、レグノア支部へ赴任する。
■ウィリー・ハルト
二十九歳。現場主任で、元・王国救助騎士。
仲間の成功を自分のことのように喜ぶ兄貴分。危険を見極める判断力に優れ、無茶を続けるドラガンを止める役目も担う。
過去の救助で部下を失った経験から、「全員で帰る」ことを何より重視している。
■バディス・ノル
二十七歳の魔法医兼生活管理担当。
感情を素直に言葉へできる、四人のムードメーカー。
治療の腕は確かだが、料理の腕は壊滅的。それでも「四人全員が食卓へ戻ること」を毎日の目標にしている。
■クイル・エンデ
三十二歳。王都監査院から派遣された記録官兼魔導会計士。
冷静で几帳面、冗談にも真顔で返すため妙な笑いを生む。
古文書や資材計算に強い一方、レグノア支部を危険と判断した場合には閉鎖命令へ署名する、もう一つの任務を抱えている。
■ミト
青銀色の毛を持つ、カワウソに似た水灯獣。
食いしん坊で、悲しんでいる人間には頬をすり寄せる。
失われかけた記憶や湖底を流れる異常な魔力を感じ取る、四人の小さな相棒。
【あらすじ】
王国北部の湖畔都市レグノア。
街灯、暖房、水門、通信器――街の暮らしはすべて、湖底に沈む巨大な魔導炉「湖心灯」に支えられていた。
十六年前、その湖心灯で大事故が起きた。
主任技師だった父を亡くした結界技師ドラガンは、事故の真相を確かめる目的を隠し、王立魔導復旧局レグノア支部へ赴任する。
そこで待っていたのは、撤退判断に厳しい現場主任ウィリー、世話焼きだが料理だけは危険な魔法医バディス、支部を閉鎖する権限を持つ監査官クイル。
男四人の職場兼宿舎は、なぜか古い公衆浴場だった。
雨漏りする支部を直し、焦げた料理を囲み、電気風呂に悲鳴を上げながら、四人は街中の故障を修理していく。
ところが住民たちの間で、
昔から歌っていた校歌を忘れる。
亡くなった家族の笑い声だけ思い出せない。
祭りや料理の記憶が少しずつ曖昧になる――
奇妙な異変が起こり始める。
そして夜の湖底には、人々の記憶を思わせる青白い光が沈んでいた。
街を守ってきた湖心灯は、十六年間、何を燃料に動き続けていたのか。
ドラガンの父は、本当に事故を起こした張本人だったのか。
規則を守る者。
仲間を止める者。
傷を治す者。
壊れたものを直す者。
誰か一人が犠牲になれば解決できる。
だからこそ四人は、その方法を選ばない。
これは壊れかけた街と失われていく記憶を修理しながら、
「お前たちがいてくれてよかった」と言える仲間になっていく、男四人と一匹