あらすじ
中学一年生の君野吉郎《きみのよしろう》は、ある事故の後遺症で、中学生になるまでの記憶をすべて失っていた。
そんな彼のそばにいたのは、眼鏡に三つ編みの同級生・桜谷瑠璃子《さくらたにるりこ》。
彼女は君野の恋人を名乗り、何も分からない彼を献身的に支えていた。
しかし桜谷には、君野とキスをするたび、自分に関する記憶を失わせてしまう【呪いのキス】があった。
桜谷はその呪いを受け入れながら、何度も君野を自分のそばへ繋ぎ止めてきた。
そこまでするのは、彼女が「薔薇色の記憶」と呼ぶ、幼い頃の君野との大切な思い出を、一人だけ抱えているから。
一方、クラスメイトの堀田友樹《ほったともき》は、亡くした弟と振る舞いの似ている君野を放っておけず、彼を「弟」として可愛がり始める。
けれど、その気持ちは本当に兄弟愛なのか。
それとも――恋なのか。
君野を守ろうとする堀田。
過去の君野を取り戻し、自分だけのものにしようとする桜谷。
何も覚えていない君野を挟み、歪んだ三角関係が始まる。
やがて三人は、君野の事故と失われた記憶に隠された、ある真実へとたどり着いてしまう。
けれど、その真実を知ったとき。
君野だけは、何も知らない。
【続編】https://estar.jp/creator_tool/novels/26594194