あらすじ
子どものころ,雑誌の中のヴィジュアル系バンドは光って見えた。
その光を追いかけるように生きてきた女は,将来を決めることも,人と深く関わることもできないまま,その場で金になる夜の仕事で日々をつなぐ。
汚れた部屋,理不尽な相手,納得していないのに口にする謝罪。嫌なことを少しずつ心の外へ押しやりながら,彼女は推しのいる場所にだけ通い続ける。
だが,気づいたときには,友達も家族も,もう声をかけられる場所にはいなかった。
最後に残るのは,何かがまだあるふりをして光る,冷たい画面だけ。
これは逃げ続けた人生の果てにたどり着く孤独を描いたある女性の話。