あらすじ

森で薬草を採っていた薬師の少女リリィは、いつの間にか眠ってしまっていた。

夢の中で出会った、涙を流す謎の女性。

『わたくしの子供を、どうか……』

目を覚ましたリリィの手には、夢の中で渡された大きな種があった。

「どんな花が咲くんだろう?」

大きな鉢に植えて、水をあげて、日向に置いて。

毎日の成長を楽しみにしていた――その翌朝。

「えっ?! ちょっと待って?!」

鉢は割れ、土の中から出てきたのは、こぶし大の種ではなく……

きょとんとした赤ちゃんだった。

「あの女性が言ってた《子供》って、この子のこと?!」

こうして、ちょっと変わり者の薬師と、不思議な赤ちゃんの暮らしが始まった。

「今日から私がママだよ、フィル!」

すくすく育つフィル。

初めての言葉。
初めての病気。
初めての積み木。
薬師の仕事を真似する小さな弟子。

そして――

「ママのおててのほうが、まほうだよ?」

そんな言葉に、リリィは今日も胸をいっぱいにする。

けれど、フィルの成長はあまりにも早かった。

やがて彼は、自分が何者なのかを知ることになる。

森に残された、たったひとつの命。

最後の精霊。

これは、ひとりぼっちだった精霊と、彼を拾った薬師の少女が家族になっていく物語。

――リリィの手帳に綴られた、フィルの小さな成長記録。

「大丈夫。ママはそばにいるよ?」

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アルファポリス
アルファポリス2026/08/29
  • 現在の作品薬師と最後の精霊〜リリィの手帳より〜