あらすじ
アステリア王国の西の街道にある、小さな宿《風見亭》。
雨の夜、その宿に一人の老騎士ガルドがやってくる。
六十三歳。
長く続けた騎士の仕事を終え、故郷へ帰る途中だった。
ところがその夜、宿の外に一頭の大きな竜が現れる。
その竜は、ガルドが三十年以上ともに過ごしてきた相棒バルだった。
ガルドは騎士を辞める時、バルとの竜契も終わらせていた。
自分は年を取り、竜にはまだ長い未来がある。
だから自由にしてやるべきだと思っていたのだ。
けれど、バルの考えはちがった。
『私は、お前が騎士だから一緒にいたのではない』
仕事が終われば、関係も終わるのか。
これは、旅を終える老騎士と一頭の竜が、これから歩く道をもう一度選び直す物語。