あらすじ
思念伝道師─消えた者の消えない願い─
届けたい想い。
言えなかった想い。
隠したい想い。
知られたくない想い。
死者の遺した、最後の願い。
その願いは、時に生きる者の運命さえ変えてしまう。
死者の『思念』を、生きる者へ届ける旅人──思念伝道師ヴェルシアン。
最強の元騎士グランツ、銀の巨狼ゼルとともに、彼は行き場を失った死者の声を探し、世界を巡る。
「私は彼の墓を暴きますよ」
「やめろ……やめてくれ!」
彼はただ、“死者の想いを届ける”だけ。
それなのに、人は戸惑い、迷い、自ら運命の舵を切り始める。
届けられた真実は、人を救う。
だが時には、「知らない方が幸せだった」と、生者の心さえ壊してしまう。
そんなヴェルシアンを、死者の思念を禁じるアステル教会は"異端"として追い続けていた。
さらに、遺品だけを狙う世界最大の盗賊団《竜の羽》もまた、彼の旅に影を落とし始める。
なぜ教会は、死者の声を恐れるのか。
盗賊たちの目的とは何なのか。
交わるはずのなかった三つの運命が重なるとき、長い年月をかけて封じられた『真実』が、静かに姿を現す。
これは、消えた者の消えない願いが、人を救い、そして壊していく物語。