あらすじ
この物語は、僕自身の実体験をもとに書いたものです。
もちろん、小説として読んでもらうために、登場人物の名前や一部の出来事、場所などには変更を加えています。けれど、そのとき自分が感じたことや、誰にも言えなかった感情だけは、できるだけそのまま残しました。
人を好きになると、どうしても自分勝手になることがあります。好きだからこそ嫉妬してしまう。大切にしたいと思うほど、失うことが怖くなる。そして、そんな感情に負けたとき、人は自分でも驚くほど醜いことをしてしまう。この物語を書こうと思ったのは、そんな自分の醜さから目を背けたくなかったからです。あの頃の自分は、決して格好良くありませんでした。間違えて、後悔して、自分を嫌いになって、それでも時間だけは進んでいく。そんな中で、ある夜、僕は一人の大学生と出会いました。名前も知りません。連絡先も知りません。
そして、おそらくもう二度と会うこともありません。
それでも、あの夜に交わした言葉は、今でも僕の中に残っています。この物語は、恋愛の物語であると同時に、人間の醜さについての物語でもあります。そして、醜さを抱えたまま、それでも前へ進もうとする人間の物語です。もしこの物語を読み終えたとき、あなた自身にも思い出す夜があったなら。名前も知らない誰かからもらった言葉や、もう二度と戻れない時間を思い出してくれたなら。それだけで、この物語を書いた意味はあったのだと思います。これは、僕が実際に経験した、ある夏の物語です。