あらすじ

桜森女子高等学校は、三月末で閉校する。 放送部の二年生・渚は、部長の沙月先輩に頼まれ、閉校式典で流す音源を探すため、倉庫に眠っていた古いカセットテープの山を整理することになった。 その中から見つかったのは、名前も日付もない一本のテープ。 再生すると、四十年近く前の卒業生二人が、屋上で待ち合わせる約束を交わす声が残っていた。 『卒業式のあと、屋上に来られる?』 『待ってる』 ――でも、その約束は、果たされなかったらしい。 誰にも聞かせてはいけないと言われたテープ。それでも「続きが気になる」という気持ちを止められず、渚と沙月は、卒業アルバムを頼りに二人の卒業生の行方を探し始める。 過去の「言えなかった声」を追ううちに、渚自身も気づいてしまう。 ――もうすぐ卒業して、遠くの大学へ行ってしまう沙月先輩のことを、自分はどう思っているのか。 学校がなくなるまで、あと少し。 言わなければ、消えてしまう言葉がある。 閉校していく学校を舞台に、過去と現在、二つの「待ってる」が重なる。

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小説を読もう2026/08/30
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