あらすじ

西日本を統べる巨大商社「松江グループ」の御曹司・松江恵太は、抜群の行動力と底なしの善性を持つ十四歳の少年だ。「目の前の不条理を許せない」彼は、困っている人がいれば見返りも求めず手を差し伸べてきた。 ある夜、林間学校の事故で崖下へ落下の末、恵太は見知らぬ異世界へと迷い込む。辿り着いた村の近くにあったのは、固く封印された『伏魔殿』。長老は「絶対に近づくな」と警告するが、恵太の耳には扉の奥から響く幼い子供たちの悲痛な呻き声が届いてしまう。 「どんな奴だろうと、泣いているなら助ける。責任は俺が取る!」 扉に刻まれた『遇恵而開(恵に遇いて開く)』の文字を己の運命と信じ、恵太は独断で封印を解き放つ。しかし――扉から噴き出したのは、かつて天界を追放された【百八の魔星】だった。 解き放たれ、夜空へと飛び去っていく百八の災厄。己の純粋すぎる善意が、世界を絶望へと突き落とした事実を知り、恵太は愕然とする。 「……嘘だろ」 立ち尽くす少年の背に、冷たい風が吹き抜ける。自らのしでかした最大級の「不条理」を正すため、一人の少年の孤独で壮絶な回収の旅が始まる。

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カクヨム
カクヨム2026/08/29
  • 現在の作品伏魔の恵