あらすじ

昭和十七年、秋深まるカロリン諸島トラック泊地。 熱帯特有の湿った重い夜風が、世界最大を誇る鋼鉄の要塞――戦艦「大和」の巨大な艦橋を撫でていく。湾内には連合艦隊の主力艦艇が黒い影を落として並び、その中心に君臨する大和の姿は、まさに帝国の威信そのものであった。しかし、その威容の裏腹に、艦内および連合艦隊司令部を包んでいたのは、鉛のように重苦しい閉塞感だった。 艦橋の奥、作戦室の張り詰めた空気の中、参謀たちの声が低く、しかし切迫したトーンで響き合っていた。 「ガダルカナル島のヘンダーソン飛行場……あそこのカクタス航空隊のせいで、我が方の輸送船団は毎日のように壊滅している。陸軍の健闘も空しく、島内の将兵は飢えと敵機からの爆撃に苦しんでいるのだ。もはや、陸戦隊の夜襲や巡洋艦隊の挺身攻撃による小手先の挺身では限界がある」 「そうだ。奴らの息の根を完全に止めるには、あの『四六センチ砲』の圧倒的な破壊力をもって飛行場そのものを叩き潰すほかに道はない」

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小説を読もう2026/08/29
  • 現在の作品鉄底海峡の夜、大和咆哮す