あらすじ

長い入院生活の末、人生を終えたはずの朔が目を覚ましたのは、見知らぬ異世界だった。 久しぶりに痛みもなく立ち上がり、自分の足でどこまでも歩ける身体を手に入れた朔は、行くあてもないまま旅を始める。 人々が暮らす町。 行き交う商人や冒険者。 人とは異なる種族。 森や山に棲む魔物たち。 そこは魔法こそ存在するものの、人々が当たり前の日常を送る世界だった。 ただ一つ、不思議な場所を除いて。 かつて人が暮らしていたにもかかわらず、ある時を境に誰も住めなくなった土地――《空白域》。 そして朔には、他の誰にも見えないものがあった。 世界から消えてしまったはずの、古い「道」。 その道を追った先で出会ったのは、危険な道を閉ざす使命を背負った女性、エル。 「その道は、開いてはいけない」 「でも、この先に何があるのか気になるんだよな」 「……あなた、いつか本当に死ぬわよ」 歩きたい朔と、閉ざしたいエル。 正反対の二人は、やがて共に世界各地を旅することになる。 水の枯れた町。 森に飲み込まれた都市。 住民だけが消えた村。 竜さえ近づくことを避ける土地。 旅先で出会う人々と過ごし、食べて、笑って、ときには魔物と戦いながら、二人は少しずつ《空白域》の奥へと足を踏み入れていく。 これは、かつて自由に歩くことのできなかった一人の男が、 誰も歩けなくなった世界を、仲間たちとゆっくり歩いていく物語。

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カクヨム
カクヨム2026/08/29
  • 現在の作品空白域を歩く ~異世界で、失われた道の先へ~