あらすじ
二〇二六年、オーストラリア。十九歳の空軍中佐エヴリン・ヴェイルは、水着のような飛行服で戦闘機に乗り、今日も敵を全滅させた。損失ゼロ。なぜか敵は、彼女だけを追ってくる。
袖はない。背中は大きく開いている。太腿まで何も覆わない。前は一本のチャックで、広報からは「可能な範囲で下げろ」と指示が来る。
膝上までの黒いブーツと、細いピンヒール。ただしそのままでは操縦できないので、出撃直前に低い踵のブーツへ履き替える。そして帰ってきたら、撮影のためにまた履き直す。
腿に巻かれた黒い帯だけは、飛ぶときも外さない。そこから下りた留め具は、ブーツを脱いでいる間、何にも留まらずに垂れている。
誰も理由を教えてくれない。装備課の回答はいつも同じだった。
――現行被服規定に従え。
陸では十八歳の少佐が、敵を引き連れて走る。海では二十歳の大佐が、輸送船ではなく自分の艦へ殺到する群れを迎える。三人とも若く、美しく、異常なほど階級が高く、そして連戦連勝している。
その夜、副隊長のアイリス・マーサー少佐は、いつものように数を数えていた。
敵が最初に進路を変えた対象。
エヴリン機――三十八。
その他十一機――九。
「まだ、分かりません」
爽快な陸海空の美少女ミリタリーとして始まります。数字が合わなくなるのは、もう少し先です。
※「残酷描写有り」「暴力描写有り」「性描写あり」を設定しています。