あらすじ
神さまなんて、最初からいなかった。
古代の日本が舞台。
父に勘当され、名前まで失った若君タケは、吉備の国で「少女たちが次々と消えている」という奇妙な事件を知る。
仲間になったのは、漁師のナビ助、宇佐族のウサ彦、猿田族のサル彦。
四人が事件を追って山奥へ向かうにつれ、各地で語られる「神隠し」の裏に、人を海の向こうへ売り渡す巨大な仕組みが存在することが見えてくる。
黄泉の国、高天原、八岐大蛇、天の岩戸――。
後世に「神話」と呼ばれることになる出来事の、本当の姿とは何だったのか。
神も、妖怪も、奇跡もない。
いるのは、欲望し、争い、恋をし、それでも誰かを救おうとする人間たちだけ。
これは、まだ誰も神さまと呼ばれていなかった時代の物語。
そして、一人の追放された若者が、やがて日本神話最大の英雄として語り継がれるまでの物語である。