あらすじ
「歩けない跡取りを置いておく余裕はない」
夜会で倒れた伯爵令息ダミアンは、父親にその場で跡取りから外された。けれど革工房を継ぐメラニーにはわかっていた。彼が怠けているのではない。成長前の足型で作られた靴が、足を傷だらけにしていたのだ。
上客を失うのが怖くても、好きな人を見捨てるほうが腹立たしい。メラニーは皆の前で告白し、彼を工房へ迎える。食べて、眠って、自分の足で歩けるまでに回復したダミアンは、今度は彼女を選び返そうとするのだが――なぜか二人には、それぞれ別の縁談が決まったことになっていて?
古い足型と家の都合に振り回された二人が、誤解を一つずつ言葉でほどき、婚礼靴をめぐって初めて同じ冗談を笑う、両片思いのお話。