あらすじ
貧しい伯爵家で、令嬢でありながら小間使いのように働いていたマリアンネ。
ただ家を支えることだけを考えて生きていた。
そんな彼女に訪れたのは、「呪われた侯爵」と呼ばれるアレクシスとの縁談。
彼は、生まれながら付きまとう痕跡と過去に囚われ、前に進めずにいた。
二人は互いの事情を抱えながら結婚し、少しずつ夫婦としての時間を重ねていく。
前世の知識を持つマリアンネは、周囲から受け取る穏やかで優しい日々に感謝し、その恩を返すように人との親睦を深めていく。
食事を変え、暮らしを変え、人との繋がりを取り戻していく中で、マリアンネは初めて「家族に大切にされる」ということを知っていく。
しかし、そんな彼女自身にも一つの謎があった。
――なぜ、生家ではあんなに孤独だったのか。
令嬢なのになぜあんなに懸命に働いたのか。
母から贈られたドレスの意味。
そして、自分の出生にまつわる疑惑。
やがて明らかになる過去は、自身のヘーゼルの瞳と、母の死の真相へと繋がっていく。
血が繋がっていれば、家族なのか。
血が繋がっていなくても、互いを想い、寄り添うなら、それは家族と呼べるのか。
前世の記憶を胸に、今度こそ幸せな人生を歩もうとするマリアンネ。
これは、愛されることを知らなかった女性が、新たな家族と出会い、自分自身の過去と向き合っていく物語。