あらすじ
何年書いても、星はゼロ。
物語術師レイヴが書くのは、
最強の英雄でも、覚醒した勇者でもない。
才能がなくても努力する者。
誰にも褒められなくても、誰か一人を救う者。
「そんな物語は売れない」
そう言われ続けたレイヴは、ついにギルドを追放される。
それでも、書くことだけはやめなかった。
その夜。
小さな酒場で、レイヴは右腕を失った冒険者と出会う。
仲間を全員失い、
自分だけが生き残ったことを悔やみ続ける男。
レイヴは、彼のためだけに一つの物語を書いた。
『だから彼が守った命は、生きていていい』
男は泣いた。
そして――失ったはずの腕が再生した。
【SSS級技能〈物語共鳴〉を獲得しました】
【読者の心が真に動いた時、物語は現実へ干渉します】
星ゼロだった物語術師。
誰にも認められなかった彼の物語には、
人の心を動かし、現実さえ変える力があった。
やがて彼のもとには、
物語を求める人々が集まり始める。
それでも、星はゼロ。
そして十日目。
ポトン。
生まれて初めて、一つの星が落ちた。
――そこから、星が止まらなくなった。