あらすじ
三年前、大学の研究室から突然姿を消した佐伯涼。
新米研究員の水城直人は、恩人でもあった彼が残した研究を引き継ぐことになる。
研究対象は、俗に「死の笛」と呼ばれる古代の笛。
複数の笛を長時間鳴らした際、人間の声に似た「人声様成分」が発生する――三年前の実験で一度だけ観測されたその現象を再現するため、水城は恩師である久世教授と実験を繰り返していた。
しかし、何度試しても同じ音は現れない。
そんな中、水城は三年前の記録に残された、ひとつの未解析音声ファイルを見つける。
死の笛の音に紛れて聞こえてきたのは――。
これは、音にまつわる研究と、一人の失踪者をめぐる話。