あらすじ
上等粉の手柄は婚約者に奪われ、目減りと粗悪品の責任だけを負わされた粉挽きのトゥルース。水車を追われた彼女は、辺境伯ダーンのもとで職人として働いていた。
そんな彼女に、元婚約者マルテンが冬を越す粉を挽いてくれと頼みに来る。彼を救う義理はない。けれど、村人のパンは別だ。
トゥルースが突きつけた条件は、商人エルスが封印していた三取引分の粉と帳面を公開し、同じ麦で製粉をやり直すこと。検分が暴くのは、消された仕事と、押しつけられた汚名だった。
自分の腕で名を取り戻そうとする彼女を、仕事も怒りも短気も見てきたダーンは、ただ守るべき女性ではなく、唯一の伴侶として望みはじめる。