あらすじ
贈り陸。
そこは贈与と返礼で人が繋がる文化の土地。
人々が贈り物を贈りあって関係を結ぶことを『クラ』という。
その特別な贈り物に付与をするのが付与術師だった。
贈り物の素材や物には、その土地の『ハウ』と呼ばれる精霊が宿る。
付与術師はハウを励起し、贈り物にふさわしい加護を付与する重要な役割を担ってきた。
付与術師レリクスは、18歳の時、クラン同士の関係を結ぶ『最も気高いクラ』と呼ばれる宴で贈り物のハウの励起を任される。
「あなたを起こしてもいいですか」
だが、ハウはレリクスの呼び掛けには答えない。
異常に気づきながらも、父の命に従ってハウを励起した結果、全く違うハウが励起してしまう。
実は、贈り物の素材の来歴が偽られていたのだ。
最も気高い贈りものになるはずだったその杖は『騙られた杖』となってしまう。
杖に宿ったハウは『嘘つきのハウ』となり、形がなくなるまで使われないと償いきれない罪を負った。
あれから5年。
『騙られた杖』と共に『帰譜ギルド』につとめて贖罪を行っていたレリクスは、自分が追放されるきっかけになった、贈り物の素材の来歴を騙った犯人をようやく捕まえる。
――そして、上司に『現段階でできる贖罪は一区切りついたんだから、大学に行ってきな』と、なぜか勝手に入学手続きを済まされてしまい――!?
※作中の文化・風習には、実在する贈与・交換文化を参考にした要素がありますが、ファンタジー作品として再構成した架空の設定です。