あらすじ
帝国学院春休み。
第一期生徒会を中心に、帝国学院では新入生を迎えるための準備が始まる。
入学式の会場設営、入学セットの準備、教室や寮の掃除――。
しかし今回の準備には、学院本来の目的である**「神の器」候補を見つけるための選別試験**が組み込まれていた。
第二期生として入学する特待生六名も、入学式を前に準備作業へ参加することになる。
入学準備開始
生徒会と各委員会で担当を決め、新入生たちは班に分かれて作業を開始。
1班:入学セット・備品準備
2班:入学式会場設営
3班:教科棟一年生教室の掃除
4班:厚生棟の掃除
一見すると、ごく普通の学校行事である。
しかし各作業場所には、神の分霊が密かに仕込まれていた。
分霊を見ることができるか。
声を聞くことができるか。
あるいは、その存在に何らかの反応を示すか。
それを第一期生たちが観察し、報告することになっていた。
教科棟での「事故」
教科棟の掃除を担当した近衛と久我。
一年生の教室を掃除している途中、ロッカーから突然、血の滴る人間の手のようなものが転がり落ちる。
二人にはそれが見えてしまう。
しかし玲は驚くどころか、
「ちゃんと処理してあげないとこの子も報われないじゃない」
と笑顔で拾い上げる。
葵とベルス1が確認すると、それは人型分霊の出来損ない。
葵は何事もなかったかのように「埋葬してくる」と言って教室を去る。
残された近衛と久我は、完全に固まってしまう。
第二期生、初日から帝国学院の洗礼を受ける。
厚生棟でも一筋縄ではいかない
厚生A棟の掃除では、菊亭が「なぜ自分たちが掃除をするのか」と身分を理由に反発。
しかし繭は、
「この学院では、親の職位など関係ない」
と毅然と告げる。
さらに柊一郎や蓮も加わり、身分ではなく自分たちの手で生活環境を整えるという学院の方針を新入生に教える。
その後、ベッドの下から現れたのは――
気持ちよさそうに寝ているベルス2と鳥型分霊。
繭はすっかり慣れた様子で、
「お鳥様、お犬様。起きてください。掃除の邪魔です」
と叩き起こす。
かつて分霊を見て腰を抜かしていた繭が、今では分霊を普通に追い出している。
第一期生の成長もさりげなく描かれる。
入学セットにも分霊が潜む
備品を運ぶ途中では、キャリーケースの数が一つ足りないという小さな騒ぎが発生。
その直後、倒れたキャリーケースから鳥型分霊が登場。
さらに入学式用の椅子を運ぶ班でも、鳥型分霊が作業を邪魔する。
新入生たちは次第に、
「この学院、普通じゃない」
という違和感を抱き始める。
一方、第一期生たちは完全に慣れている。
正門の「関所」
準備を終えた一行は、新入生用キャリーケースを正門へ運ぶ。
そこで新入生たちは初めて、
「学校なのに関所がある」
という現実を知る。
しかしそれすら第一期生にとっては日常。
鳥型分霊から他班の作業終了を知らされた葵は、新入生たちに帰宅を告げる。
表向きには、無事に終わった入学準備。
だが実際には、各班での新入生たちの反応が記録されていた。
そして――
準備を終えた第一期生たちは、生徒会室で報告会を行う。
そこには喜英と凜人も同席する。
それぞれの班から、
分霊を見た者
声を聞いた者
特に反応を示さなかった者
分霊の存在を認識しながら平静を保った者
などの報告が上がる。
第二期生六名の中から、果たして**「器」としての素質を持つ者は誰なのか。**
そして彼ら自身はまだ知らない。
入学式より前からすでに――
帝国学院による選別は始まっていた。