あらすじ
世界が崩壊した日、朝倉かなめが手に入れたのは《ドロップ》というギフトだった。
魔物を見るだけで、何を落とすのかが分かる《ドロップテーブル》。
ゴブリンなら食料や医療品。
角ウサギなら日用品。
別の魔物なら、燃料や装備まで。
そして《運》を上げれば上げるほど、より希少なもの、より自分に必要なものが手に入りやすくなる。
力を上げれば、自分は強くなれる。
体力を上げれば、生き残りやすくなる。
それでも、かなめが選んだのは――《運》だった。
自分一人が強くなるより、妻と一歳の娘が生きるために必要なものを持ち帰りたい。
食料が足りなければ、食料を落とす魔物を狩る。
薬がなくなれば、医療品を落とす魔物を探す。
娘のおむつが必要なら、日用品を落とす魔物を狙う。
そして足りない戦闘力は、ドロップした装備で補えばいい。
停電した街。
止まった物流。
あふれ出した魔物。
昨日まで金を出せば買えたものが、もう店にはない。
だから今日も、かなめは必要なものを落とす魔物を探しに行く。
家族三人で、この崩壊した世界を生き残るために。