あらすじ
人間はなぜ「赤」を赤だと感じるのか。
光の波長、網膜、脳、言葉――どれだけ仕組みを説明しても
「赤そのもの」の感覚にはたどり着けない。
では、私たちが見ている色は、脳が読み取った暗号なのか。
それとも、誰にも共有できない幻なのか。
色彩、幻視、仏教、DNA、そして音楽。
これらの領域を大胆に横断しながら、一人の思索者が意識の「ハード・プロブレム」へ挑んでいく。
見ることと、感じること。
現実と、幻。
記号と、経験。
問いを重ねるほど、当たり前だった世界の輪郭が崩れはじめる。
なぜ人は、色を経験するのか。
なぜ人は、音楽を経験するのか。
答えのない問いを、答えそのものが壊れる場所まで追いつめる、異端の哲学的思考実験。