あらすじ

宮廷魔法使いガレル・オズワース、勤続十九年。詠唱と魔法陣で世界に丁重にお願いする古典体系魔法の、宮廷における第一人者である。 ある日、御前試技で「精霊魔法」を目撃する。詠唱なし、触媒なし、所要三秒。俺が十九年かけて二分に縮めた仕事が、三秒。宮廷の連中は「水芸」と笑っていたが、俺には聞こえてしまった。自分の積み上げたものが崩れる音は、積み上げた本人にしか聞こえないのだ。 だが宮廷の査定は三年遅れている。誰も俺を追放してくれない。 ならば仕方ない。俺が俺を追放する。執行は明朝。異議申し立ては認めない。 ——こうして市井に下りた型落ち魔法使いは、しかし知らなかった。遠見の水晶(リモート勤務)が家一軒の値段であることも、ギルドの求人が「現場に潜れる奴だけ」であることも、そして。 町の人々が便利に使い倒している精霊魔法が、時々つく「嘘」の仕組みを、この世界でただ一人、古典理論から説明できる男が自分であることも。 日当十二分の一からの、現場デビューである。 ※主人公はおっさん(四十手前)です。ざまぁ最小、基本ノンストレス。本人は「型落ちの査定通りです」と言い張っていますが、周囲の評価だけが静かに上がっていきます。

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カクヨム
カクヨム2026/08/29
  • 現在の作品宮廷魔法使いの俺、自分で自分を追放した 〜精霊魔法の登場で詰んだので、退職届は自分で受理しました。型落ちの古典魔法、現場ではなぜか伝説扱いです〜