あらすじ
英雄の記されぬ風土記を紡ぐ、ただ一人の男の物語。
大学の研究室で眠りに落ちた草薙修斗が目を覚ますと、そこは風土記と超古代史の禍々しき層が蠢く「神代の日本」だった!
現存するわずか五カ国の風土記。
そして、歴史から削り取られ、地名ごと消失した「欠損の国々」。
そこに住まうのは、恵みを与える神などではない。人を贄として求め、土地そのものを喰らう荒ぶる「国津神」たちだった。
異郷の地で修斗に初めて宿ったのは、小さな音を立てて弾ける微弱な雷——《鳴火(なりび)》。
土地の危機を救い、功績を遺すたびに新たな権能と神名が与えられていく。
だが、その力には恐るべき代償が存在した。
──力を使い、土地に神名を刻むほど、歴史から「草薙修斗」という人間の存在と記憶が削られていく。
「こんな痛い思いをして、誰にも覚えてもらえないなら……神様なんて、やってられないだろ」
欠けた風土記の謎を追い、再国譲りを企む勢力と対峙しながら、俺はただ生き延びるためにこの国々を歩き続ける。
神話に名を残せぬ一人の青年が辿る、失われた日本を巡るダークファンタジー活劇!