あらすじ

出生率「1.14」で推移し続ける超楽観シナリオでも、300年後、日本から赤ちゃんがゼロになる(これ事実)。「来たれ若者よ。神戸なら、食うには困らぬ」――2035年、人口減少による国家消滅が視野に入り始めた日本。一人の男がこの国に叛旗を翻すような奇策をぶち上げた。男の名は松野猛(52)。神戸市長。彼には、誰にも言えない秘密があった。それは「200年後の未来の風景」が脳内に直接流れ込んでくる特異能力。今日、この瞬間の選択によって、脳裏のビジョンは「豊かな緑のユートピア」と、糧食すら奪い合う「崩壊した砂の街」の間で激しく激変する。未来を救う鍵は、若者のコミュニティ再生と――「食の絶対的安心」だった。大都市近郊の廃墟化したニュータウン(オールドタウン)を蘇らせ、若者を呼び込むための市政カウンター戦略。その国家をも牽制するかのような大プロジェクトの最前線に、一人の男が巻き込まれる。川崎重工業に所属する池田彰(33)は、どこか冷めた目で世界を見ていた。しかし、常に本気モードの神戸市職員・明泉寺結衣(26)の協力のもと、農地観測用の永久滑空ドローン――通称『六甲アロー』の実証実験の責任者に指名されたことで、彼に変化が訪れる。ただの会社員だった池田は、神戸の空に「本気の自分」を見出していく。これは、未来を視る市長の覚悟と、神戸の空を拓く者たちの、痛快で熱い社会派近未来SF。――いま、反撃の『六甲アロー』が舞い上がる。この未来ビジョンに無理解な人々に対し、松野市長は常にこう吐き捨てるだろう。「知ったこっちゃない」と。

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カクヨム
カクヨム2026/08/28
  • 現在の作品異能市長✵