あらすじ

主人公である「僕」の彼女・夜空(よぞら)は、夜空の月齢と精神や肉体が完全に同期する奇妙な存在だった。三日月の夜には空間すら切り裂く冷徹な鋭さを見せ、半月の夜には存在と不在の狭間を漂う霧のように曖昧な姿で「僕」を翻弄する。 やがて真円の満月が昇る夜、彼女は圧倒的な慈愛と包容力で「僕」を優しく包み込む。しかしその甘美なぬくもりに浸るうち、「僕」は彼女の強大な重力によって自身の自我や肉体の境界線が侵蝕されていくのを感じる。 意識が肉体を離れ、彼女の思考の深層へ落ちていった「僕」が見たのは、酸素のない静寂と銀色の砂漠が広がる異次元の月面だった。彼女が地球の人間ではなく次元を超えて現れた「月」そのものであると悟った「僕」は、抗うことのできない歓喜とともに彼女の巨大な天体意識へと溶け合い、ひとつになっていく。

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エブリスタ
エブリスタ2026/08/28
  • 現在の作品『月から来た女』