あらすじ
僕は勇者になりたいわけじゃない。
ただ、愛用のリュートを奏でながら、気ままに旅をする吟遊詩人――そのはずだった。
僕の音楽には、人の心を癒し、時には幻獣さえも呼び寄せる不思議な力がある。
そのせいで、街で少し演奏しただけなのに、
「勇者様だ!」
「伝説の勇者様が現れたぞ!」
……と、なぜか勇者扱いされる始末。
いや、僕は勇者じゃない。ただの楽士です。
そんな僕が次に辿り着いたのは、かつての賑わいを失い、人々が希望を失ってしまった街だった。
そこで出会ったのは、街の復興に奔走する町長の娘、サラ。
彼女が僕に願ったのは、勇者として街を救うことではない。
「貴方の音色で、人々の心に希望を取り戻してほしいのです」
その言葉を聞いた瞬間、僕は迷わず頷いた。
僕は勇者にはならない。
けれど――僕の音楽で誰かを笑顔にできるのなら、それでいい。
美しい町長令嬢との恋、個性豊かな仲間たちとの出会い、音楽によって引き寄せられる幻獣たち。
そして、旅の先で待ち受ける数々の事件。
笑って、歌って、ときどき戦って。
これは、勇者ではなく吟遊詩人として生きる青年が、音楽と幻獣を携えて世界を巡る冒険譚。
コミカルな日常から、やがて世界を揺るがす戦いへ――。