あらすじ
金髪の不良・千夜保は、雨上がりの路地裏で傷を負う。秀才の親友・鈴木航は消毒液で傷を処理し、子供っぽい先輩・山村凌は熱で腕を掴み、彼女の諸橋香澄は触れずに温度だけ置く。三人に囲まれたまま屋上へ上がるが、千夜は誰か一人を物語の正解にしない。
翌朝、教室で仮面を戻す。香澄は休み時間に前髪を直し、ずれを直すように仮面を被せ直す。放課後、鈴木は宿題の符号ではなく傷を見に来て写真を残す。千夜は山村が朝置いた甘いパンを家で一人で開ける。メモには「今夜も屋上、僕が先に行ってる」とある。
千夜は既読をつけず、鍵を靴箱に置いたまま屋上へ行かない。捨てたのではなく、一人分の頁を閉じるためだ。おとぎ話は終わらず、今夜だけ歩かない。