あらすじ
十年前、世界各地の空に突如として《ゲート》が生まれた。
世界中のパワーバランスが一変した。
ゲートから得られる未知の資源――魔石によって世界は大きく発展し、今ではゲートに潜る《ハンター》が花形の職業として定着している。
強さも階級も、武器も職業も、すべてが数値化され序列化される時代。SSランクのハンターは国家戦力そのものとして扱われ、そのカリスマ性から世界的な名声を得る者も少なくない。
そんな華やかなハンターたちの世界とは、無縁のはずだった男子高校生――相楽蒼。
全校生徒の前で授かった職業は「竜使い」、ランクはF。歴代誰一人として使いこなせなかった、最弱職の代名詞。
目立つ気もなければ、有名になる気もない。今日を波風立てずにやり過ごせれば、それでいい。
表では冴えない生徒を演じ、いじめられ役さえ厭わない。
そんな男の、静かなはずだった日常は――たった一体の竜との出会いを境に、静かに、しかし確実に軋み始める。