あらすじ
平日の昼下がり、いつもの交差点で、私は見知らぬ男と目が合った。
初めて会ったはずなのに、なぜか知っている気がする。
向こうも同じだった。
「……どこかで、お会いしました?」
それをきっかけに、私は奇妙な夢を見るようになる。
雨の夜。
暗い部屋。
顔の見えない男。
そして、耳元に残る声。
「また、眠れないの?」
忘れたはずだった。
もう終わったことだと思っていた。
なのに、少しずつ蘇ってくる、誰かと眠れぬ夜を過ごした記憶。
あの人は誰だったのか。
なぜ私は忘れているのか。
そして、なぜ今になって戻ってきたのか。
これは、忘れることで終わらせたはずの恋と、その続きをめぐる物語。