あらすじ
香料記録庫の主任リースベットに改竄の共犯とされ、職も住み込み部屋も失ったアンネケ。五日目の午後四時には、証拠となる全帳面が王都へ移送されてしまう。残された時間で彼女が確保できる原本は三冊だけ。通し番号、受渡時刻、二人の署名、そして紙に残る新しい油染み――几帳面すぎると笑われた控えを手に、アンネケは商人たちの前で公開訂正を申し立てる。一方、彼女を蒸留所へ迎えたヘンドリクは、食事も寝床も用意して求婚まで差し出すが、少々囲い込みが過ぎるようで……。嘘の署名と恋の契約、その両方に自分の条件を書き加える、期限付き名誉回復のお話。