あらすじ
企業が宇宙開発を担い、小惑星資源が世界経済を左右する23世紀――「宇宙資本主義」の時代。
宇宙飛行士は広告塔として企業の宇宙開拓資金の調達を支え、人類最前線のX航路では、原因不明の航法異常が宇宙船を阻んでいた。
ランケは、巨大宇宙企業スカイコーポレーションの御曹司。全国模試一位の頭脳を持ちながら、学校のコンピュータをハッキングして授業中に宇宙動画を見る12歳。父の会社を継ぐことを拒み、自ら宇宙飛行士になるためニューヨーク宇宙工科大学への飛び級を狙っている。
そんなランケの前に現れたのは、ランケが憧れる伝説の宇宙飛行士・オースティンの娘で、14歳にしてスカイコーポの宇宙飛行チーフを務める天才少女レナン。地球に一時帰還中の彼女と自宅で同居することとなったランケは、レナンとともにX航路の航法異常を調べるうち、奇妙な事実に気づく。過去のX航路に関する研究資料だけが、なぜか通常のネットワークから辿れない――。
二人がその謎に対峙しながら航法異常の解明を進める一方、X航路をめぐって企業競争、株式市場、航空行政までが動き始める。そして、航法異常の謎はやがて、オースティンが目指したさらに先の宇宙へとつながっていく――。
企業が宇宙航路の開拓を競う未来を舞台に、少年が大人たちの世界に挑みながら、宇宙の未知へ自らの道を切り拓いていく長編SF成長譚。
<第一部の主な登場人物>
ランケ(12)
宇宙企業スカイコーポレーションの御曹司。成績優秀で自信家。父の会社を継ぐより、自ら宇宙飛行士になることを望んでいる。ハッキングが得意。
レナン(14)
スカイコーポの宇宙飛行チーフを務める天才少女宇宙飛行士。伝説の宇宙飛行士・オースティンの娘。冷静で研究熱心だが、X航路への強い執着を秘めている。
ケイ(28)
若くして巨大宇宙企業スカイコーポを率いる社長で、ランケの父。口がうまく女癖も悪いが、経営者としては敏腕。息子が宇宙飛行士になる夢には反対しているが、一方で、経営者としてX航路事業を進めている。
ヨーコ(29)
ランケの母。世界有数の個人投資家で、スカイコーポの実質的な大株主。家庭では穏やかだが、投資家としては冷徹で、ケイも恐れている。
ミナ(12)
ランケの幼なじみの同級生。社会問題への関心が強く、物怖じせず正論をぶつける。密かにランケを想っている。
<長編構成>
本作は全三部構成を予定しています。
第一部:Tokyo編
第二部:NY宇宙工科大学編
第三部:宇宙編
今回応募する第1〜5話は、第一部Tokyo編の前半にあたります。