あらすじ
星暦137年。
地球圏統合機構と外圏自治連盟の戦争は、九年目を迎えていた。
久世律(くぜりつ)、29歳。
彼は戦場で戦う兵士ではない。
負傷した兵士を治療し、心の傷と向き合い、適性を見極める。
そして彼らを再び戦場へ送り出すのか、別の道へ進ませるのか。その選択に寄り添う後方支援の人間だった。
「本人の人生は、本人が決めるべきだ」
かつて兄にもそう告げた。
兄は自ら戦場に残ることを選び、帰ってこなかった。
それでも律は、人の選択を他人が奪ってはならないと考えていた。
そんな彼の日常は、所属施設への襲撃によって終わる。
逃げ込んだ先で律が出会ったのは、アルカディア機関が秘匿していた一機の白銀の機動兵器。
MF-X00《MONARCH》。
誰にも扱えなかったはずの機体は、なぜか律を受け入れた。
そしてMONARCHに乗った律は、やがて戦場を見る。
敵も、味方も。
生きようとする者も、殺そうとする者も。
その選択の先に待つ未来さえも。
これは、英雄が世界を救う物語ではない。
世界を変えられるほどの力を手にしてしまった一人の男が、
「人は、どこまで他人の未来を決めていいのか」
その答えを探す物語。