あらすじ
「あの淡泊な天才魔法使いが、結婚するなんて思わなかったよ」
夫の同僚からそう聞かされても、仕立て屋のリネットには意味がわからなかった。
天才宮廷魔法使いと呼ばれる夫・ニールは、帰宅すれば玄関で真っ先に抱きしめ、台所でいたずらをして、食事中でさえ妻の手を握っているからだ。
そんなニールの焦げた制服を繕っていたある夜、リネットは耳を疑う事実を知る。
結婚する前、彼はリネットに会うために、わざと制服を焦がしていたらしい。
仕立て職人として、リネットは到底聞き流せない。
怒られた天才魔法使いは、彼女の前だけ世間の評判からは想像もつかない顔を見せていく。
外では有能と評判の天才魔法使いと、彼に愛されすぎている仕立て屋の妻。
結婚して一年経っても距離が近すぎる、甘い新婚の短編恋物語。