あらすじ
【あらすじ】
死因――過労死。
転生先――ぜんぜん興味のなかった男性向け美少女ゲーム。
現在の役職――勇者が長い冒険の末に獲得する“最高レアのご褒美”ことメインヒロイン。
「……前世から引き続き、人生が大炎上してるな!」
ブラックIT企業で力尽きた三十五歳の社畜SE・佐倉陽一が目を覚ますと、銀髪碧眼の絶世の美少女「フェリシア」へTS転生していた。
ここは男性向け美少女ゲーム『聖剣のラヴァーズ』。
そしてフェリシアは、勇者アレクに助けられ、励まし、支え、最後には魔王討伐の“最高のご褒美”として結婚する、王道系メインヒロインだった。
【SYSTEM】『既定伴侶:勇者アレク』
【SYSTEM】『婚姻予定:最終シナリオ終了後』
【SYSTEM】『変更権限:ありません』
「俺を勝手に報酬欄へ入れるなあああああ!」
見た目は完璧な美少女でも、中身は徹夜と障害対応で鍛えられた三十五歳男性のまま。誰が誰を好きになるかは、本人の自由だ。だからこそ――俺がアレクを選ばない自由も認めろ!
会う前から恋人確定。
本人の同意なく結婚予約済み。
人生の最終納品先まで勇者へ固定。
そんなクソ仕様、受け入れられるか!
自分の人生と選択権を守るため、フェリシアは前世のSE知識をフル稼働。
魔法はプログラミング言語。
魔法陣は実行環境。
魔力は演算資源。
そして運命とは、バグだらけのシステムが強制実行してくる迷惑プログラムである!
運命の出会いは、立ち位置を靴半分ずらして勇者をリンゴ三箱へ突っ込ませる!
【SYSTEM】『規定シナリオからの逸脱を検知』
「知るか! その恋愛イベント、仕様ごと叩き折ってやる!」
フェリシアが片っ端から強制フラグを破壊すると、本来アレクに攻略されるはずだった六人のヒロインまで次々と覚醒。
「私たちも、自分の人生は自分で決めます!」
救出拒否! 強制接触回避! 恋愛イベント爆破!
七人全員に攻略を拒否された勇者アレクだけが、イベントのたびに空から落ち、壁へ刺さり、爆発に巻き込まれ、どんどんボロ雑巾になっていく。
さらに行き場を失ったヒロインたちは、そろって超絶イケメンの終焉の魔王ノクスへ一直線!
男性向け美少女ゲームだった世界が、なぜか魔王を七人の少女が奪い合う乙女ゲームへジャンルごと仕様変更されてしまった!
「どうしてこうなった!?」
だが、システムも黙ってはいなかった。
規定シナリオから外れたフェリシアを重大なバグと認定。
イベントを避ければ条件を変え、フラグを折れば世界ごと書き換え、それでも従わなければ存在そのものを消去する――!
そんな絶体絶命の中、フェリシアもノクスとタッグをくむことに。
しかもノクスは黒髪赤眼の超絶イケメン――に見えて、実は男装した誇り高き女魔王だったことが判明!
ノクスに与えられた結末も、勇者に殺されるか、隠しヒロインとして勇者の伴侶になるかの二択だけ。
攻略されるメインヒロイン。
攻略され、討伐される女魔王。
正反対の場所へ配置されながら、二人は同じ理不尽なシナリオに人生を奪われていた。
魔法のロジックを一瞬で解析し、システムの穴を突くフェリシアの「頭脳」。
細かい理屈は分からないが、とりあえず世界ごと殴り壊せるノクスの「魔力」。
二人が組めば、システムの強制処理さえ反射可能!
中身は社畜SEの絶世の美少女と、世界最強のボーイッシュ女魔王。
最強の「共犯者」となった二人が、自由な明日を勝ち取るため、世界を支配するクソ仕様へ反逆する――!
「さあ、覚悟しろ――この世界のクソ仕様! 隅から隅まで、全部デバッグしてやる!」
【キャラクター表】
<主要人物>
フェリシア・ルミナリア(中身:佐倉陽一 / 35歳) :本作の主人公。外見はプラチナブロンドに蒼い瞳を持つ公爵令嬢(ゲームの最高レアであるメインヒロイン)だが、中身はブラック企業で過労死した35歳のシステムエンジニア。 一人称は「俺」。世界の魔法やシステムを「プログラミング言語」として読み解くことができるが、ヒロインゆえに自身の魔力スペックは絶望的に低い。 「中身が男なんだから、男に攻略されるなんて絶対に御免だ」という確固たる理由から、勇者との強制的な恋愛イベントをバグ技や仕様の穴を突いて回避し続ける。
ノクス: 本作のもう一人の主人公。「終焉の魔王」として恐れられる魔族の頂点。漆黒の魔力を操る。実は女性。 システム上は「勇者に殺される」という結末しか用意されておらず、何度抗っても最後にはシステムによる初期化の光で消し去られてきた。また、女であることがバレると「勇者の愛人になる隠しルート」が発動してしまうため、それを避けるべく男装して魔王を演じていた。 フェリシアの「システムを書き換える頭脳」と自身の「圧倒的な魔力と演算速度(実行環境)」を組み合わせることで、初めて世界の強制力に打ち勝つ。フェリシアに絶対の信頼を寄せ、魔王城をデバッグ拠点として提供する。
<世界の住人たち>
アレク(勇者) 『聖剣のラヴァーズ』の正規主人公。赤髪の精悍な青年。 システム上は「世界を救う勇者」であり、システムの中枢へアクセスできる『最上位権限』を持っているが、本人は無自覚。 主人公補正によりフェリシアやノクスへ強引な恋愛イベントを仕掛けようとしてくるが、本人の意思とは無関係にフェリシアのバグ技の踏み台(権限の引き抜き元)にされがち。
<ヒロインズ・リベリオン(元ヒロインたち)>
フェリシアが恋愛フラグを叩き折ったことで、勇者との恋愛ルートから解放され、それぞれの個性を発揮し始めた少女たち。なぜか男装状態のノクスに夢中になっている。
リリ(元・癒やしの聖女) 回復魔法の使い手。勇者のためではなく、フェリシアや仲間たちのためにその力を振るうようになる。
ステラ(元・ツンデレ剣士) 高い剣術の才能を持つ少女。恋愛から解放されたことで、純粋な戦士として覚醒。
<世界の管理者>
システム(世界の中枢) この世界の物語を管理する存在。勇者とヒロインが結ばれ、魔王を倒す「規定シナリオ」を絶対視している。 そこから逸脱するフェリシアやノクスを「バグ」として検知し、魔物を差し向けたり、最終的には世界を初期化して強引にロールバックさせようとする。フェリシア曰く「ブラック企業の無能な上司が作った最悪の自動復旧プログラム」。