あらすじ

「名前を落としました」 王都の片隅にある王立遺失物管理局。 そこで働くセイン・アルケットの固有術〈返却〉は、落とし物を本来の持ち主へ返すだけの地味な力だった。 そんな彼のもとへ、ある朝ひとりの少女がやってくる。 彼女がなくしたのは、財布でも鍵でもない。 自分の「名前」だった。 名前だけが空白になった住民証明書。 彼女を知らないという家族。 誰にも見えない「なくなった跡」。 そして、少女の首に押された赤い封蝋。 半信半疑のままセインが少女の名前に〈返却〉を使うと、見たことのない一枚の紙が現れる。 そこに記されていたのは、 「返却対象:名称」 「帰属先:世界」 という二つの言葉だった。 名前を落とした少女は、世界の持ち物でした。 これは、剣でも魔法でも解けない「失くし物」を追う、少し変わった返却士と名前のない少女の物語。 やがて二人は知ることになる。 この世界から失われ始めているのは、少女の名前だけではないことを。

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小説を読もう2026/08/28
  • 現在の作品王都の返却士 ~その落とし物、世界のものです~