あらすじ
「アリシア、お前との婚約を破棄する」
竜人将軍ゼクスによる突然の婚約破棄。光の聖女ミレーユがいれば、地味な繕い女など不要——そう衆人環視の中で宣言された私は、静かに一礼して受け入れた。
(むしろラッキーでは? これで無償労働から卒業できる)
誰も知らない。竜人の翼が一晩で朽ち、灰となって剥落することを。そして、それを繕い再生できるのが、この世界で私ただ一人であることを。
光魔法で『照らす』ことと、朽ちた翼を『繕う』ことは、まったく別物なのに——。
前世は日本の縫製工場で使い潰された私。学んだのはたった一つ、「評価されない仕事は、続ける価値がない」ということ。
ならば、望み通りにしてあげましょう。今夜限りで、翼のお繕いは終わりです。
日が沈み、王都の空で竜人騎士団の翼が静かに枯れ始める。彼らがそれに気づくのは、手遅れになってから——。
これは、正しく評価されなかった聖女が、その真価を世界に知らしめていく物語。婚約破棄から始まる、痛快なざまぁと再出発。やがて彼女の技術は一国を超え、国際案件へと羽ばたいていく。
「国際案件には、それ相応の報酬を。契約魔法で、きっちり明文化させていただきます」