あらすじ
クラスでは目立たない高校二年生、五行克生。
人の凝っている場所を見つけるのが妙に上手く、「五行、肩お願い!」とクラスメイトから気軽に肩揉みを頼まれるような男子だ。
そんな克生がずっと好きだったのが、黒髪ロングの清楚な美少女・白石つばき。
ある日の放課後、そのつばきから突然告白される。
ずっと好きだった相手からの告白に、克生は迷わず頷いた。
けれど。
「ごめん。今の、嘘なの」
それは友人との軽いノリで行われた“嘘告”だった。
克生は怒らなかった。
つばきを責めることもしなかった。
ただ、彼女を好きでいることを諦めた。
それまでならすぐに気づいていた、つばきの疲れにも声をかけない。
自分から話しかけることも、肩を揉んであげることもなくなった。
そして克生は今まで通り、他のクラスメイトには普通に接する。
「五行、肩お願い!」
「まあ、いいけど」
別の女子の肩を揉む克生を見て、つばきは初めて気づいてしまう。
自分はずっと、彼に見てもらっていた。
誰よりも早く疲れに気づいてもらい、気遣ってもらい、その優しさを当たり前のように受け取っていた。
そして今、その全部が自分からなくなった。
「……今日、誰かの肩揉んだ?」
「揉んだけど」
「女の子?」
どうして、こんなことが気になるんだろう。
違和感は寂しさへ。
寂しさは後悔へ。
後悔は嫉妬へ。
やがて黒髪清楚な美少女は、自分から手放してしまった男子を取り戻すため、静かに、そしてどんどん重くなっていく。
嘘から始まった告白を、本物の恋でもう一度。
後悔する清楚系美少女と、人の身体にはすぐ気づくのに恋心には鈍い男子の、すれ違い青春ラブコメ。