あらすじ
魔物を遠ざける《青灯》が正常なら、灰牙鼠は近づかない。
――なのに、安全地帯には真新しい足跡が残っていた。
十九歳の新人冒険者レラが持つ《矛盾視》は、嘘も正解も見抜かない。
ただ、彼女が知っている情報の中に「このままでは同時に成立しない」ものがあると、赤い亀裂として知らせるだけ。
初めての迷宮で仮に組まれたのは、経験豊富なエルフ剣士リンジー、珍しいものに目がない収集家ソフィア、警戒心の強い斥候タチアナ。
魔物は効かないはずのものを恐れ、地図にない場所から風が吹き、確かな記録同士が食い違う。
迷宮を進むほど、四人が出会う「矛盾」は単純な間違いでは済まなくなっていく。
食い違いを見つけ、観察し、仮説を立て、確かめる。
答えをくれない祝福を、四人で攻略の手がかりへ変えていく。
けれど――もし、矛盾している二つが、どちらも間違っていなかったとしたら?
観察・仮説・検証で迷宮の「なぜ」を解く、四人の探索ファンタジー。