あらすじ
「ひっ……す、すみません! すぐ拾いますぅ!」
王立輸送ギルドで働くユーリは、怒鳴られてばかりの気弱な落ちこぼれ配達員
ある日、ユーリが運んだ荷物が、都市を消滅させる古代兵器《禁忌の心臓》にすり替えられる。しかも、盗難の責任を押しつけられたのは、最後に荷物へ触れた配達員であるユーリだった。
しかし、封蝋の重なり、箱に付着した泥、魔力の減衰、そして記録から消された一時間は、犯人が仕掛けた冤罪のほころびを示していた。
疑り深い特務捜査官ガウェイン、偏屈な封印鑑定士フィーナ、片言ながら誰より仲間を理解する白熊獣人パックたちとともに、ユーリは古代兵器の行方を追う。
これは、世界を救う英雄の物語ではない。
消された人々の名前を拾い、誰かが帰るための道を、最後まで届ける配達員の物語である。