あらすじ

世界がまだ「カタチ」を持たず、光と闇、生と死さえ曖昧だった古代。世界を滅ぼしかねない破滅竜ヴェネクトが現れ、冥王アーロン、棘の魔女、そして後に英雄王と呼ばれるサームが立ち向かった。彼らの戦いの結末は、今や正確な記録すら残されていない。 そして遥か未来――世界の北の果てには、罪人や“終わりに触れた者”が送られる北の囚人院が存在していた。 その地を治めるのは、悪魔王と呼ばれる男メフィラ・ヴァン・ウォーカー。世界との関わりを避け、孤独に北の大地を統べる彼の傍らには、一人の少女エリーゼがいた。 「穢れ子」と呼ばれ、囚人院に閉じ込められていたエリーゼは、自分自身の価値すら信じられずにいた。しかしメフィラは、彼女に「君がどう在るかは、君のものだ」と告げる。 やがてエリーゼは、苦しみ続ける異形の存在に「終わり方を選ぶ」力を見せる。それは単なる破壊ではなく、壊れた存在をほどき、安らかな終焉を与える力だった。 一方、中央では冥王アーロンが神殿院との戦いを企て、かつてヴェネクトと戦った英雄たちも再び動き始める。歴史の裏側で暗躍するメフィラは、世界が再び大きく動き出すことを察していた。 そんな中、エリーゼは自分が何者なのかを問い始める。 メフィラが語るのは、かつて世界に存在した「境界そのもの」と呼ばれる存在の伝承。光と闇、生と死、始まりと終わり――すべてを分け、同時に繋いでいた存在。 そして彼は、エリーゼに告げる。 「君は、壊れたものを“ほどく”側だ」 まだ名前も形もない少女の中で、世界の境界が静かに目を覚まし始めていた。 これは、終わりが集う北の囚人院で生きる少女が、自らの正体と力を知り、やがて世界そのものの在り方を変えていく物語である。

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小説を読もう2026/08/28
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