あらすじ
百年前の大災害〈環洲變成〉によって、旧日本は円形の大陸《パーロ》へ変わった。
五十年前、パーロにだけ現れた六つの〈迷宮塔〉は、危険と引き換えに人類の技術では作れない素材や魔道具をもたらし、世界を支える存在となっている。
高校二年生の継守朔人は、幼い頃に両親を中央迷宮塔〈環錐塔〉の事故で失った。盲目の幼馴染・雨弦結月を支えながら、塔とは距離を置いた静かな日常を送っている。
――だが朔人には、誰にも明かせない五年間の記憶があった。
中学卒業の日、彼は異世界へ強制召喚された。
そこで得た力は〈創造者〉。様々なものを創り出す力。しかし、対価と引き換えに。
世界において一瞬、異世界では五年を過ごした朔人が帰還してから二年。
ある日、彼の郵便受けに、月に乗った猫の封蝋が押された一通の手紙が届く。 それは、七つの世界を巡ってほしいという依頼だった。
もう冒険はいい。
そう思っていた朔人は、それでも守ると決めた者のため、再び異世界へ足を踏み出す。
世界を一つに変えるのではない。
違うまま共存できる未来を創るために。
これは、代価を払いながら世界を救う〈創造者〉と、彼の帰還を待ち続けた仲間たちの物語。