あらすじ
現代日本で暮らす、ごく普通の高校生――佐伯悠真。
ある日の放課後、友人・高橋蓮の足元に突如として現れた謎の光。
消えかける友人を助けようと咄嗟に手を伸ばした悠真は、蓮とともに見知らぬ異世界――アルセリア法国へと召喚されてしまう。
しかし、法国が召喚したかったのは悠真ではなかった。
勇者として選ばれたのは蓮。
聖なる加護、膨大な魔力、勇者としての適性。
次々と規格外の才能を示していく友人の隣で、悠真はただ召喚に巻き込まれただけの一般人――のはずだった。
念のために行われた悠真の鑑定。
そこに浮かび上がったのは、異世界の神官ですら読むことのできない結果だった。
なぜ、自分だけ鑑定できないのか。
自分には何があるのか。
そしてなぜ、この世界で「できない」とされていることが、自分にはできてしまうのか。
本人にも、その理由は分からない。
ただ一つ分かるのは――どうやら自分は、この世界の常識から少しだけ外れているらしい。
これは、勇者として選ばれなかった一人の高校生が、自らの異常さを知り、仲間と出会いながら、やがて異世界の理すら踏み越えていく物語。
世界はまだ、佐伯悠真という異邦人を知らない。