あらすじ
高校二年生の雨宮紬は、人の気持ちを文章にするのは得意なのに、自分の本音だけは誰にも言えずにいた。
ある雨の日、図書室で借りた古い小説に、青い栞が挟まっているのを見つける。栞には、見知らぬ誰かの字で一つの質問が書かれていた。
「言えなかった言葉は、どこへ行くと思いますか」
紬が何気なく返事を書くと、次に本を開いたとき、また新しい言葉が残されていた。顔も名前も知らない「青い栞の人」との秘密の往復書簡。けれど、その言葉の向こうにいたのは、いつも紬をからかってばかりいるクラスメイト・早川湊だった。
伝えなければ失わずに済むと思っていた少女と、失う前に伝えたいと願う少年。秋の文化祭と、閉館間近の図書室を舞台にした、静かでまっすぐな青春恋愛短編。